もしかして、あの『直島』が原点?

これは、Kotiaikaが始まるずっと前の話です。
約15年前から今に至るお話なので、ちょっと長くなりますがお付き合いいただけたら嬉しいです。

目次

「直島って、どこ?」

― 現代アートに、特別な興味があったわけではありませんでした

当時勤めていた会社の社員旅行で初めて直島へ行くことになりました。
社長からその話を告げられた際、「直島?って、どこ?」と率直に思いました。
日系三世のアメリカ人の社長で、日本語の発音にはちょっとクセがあったので、「ナオシマ???」ちゃんと聞き取れてるかしら?と思ったのが第一印象。
その次にようやく、社員旅行だから、「あぁ、行先かな?で、どこ?何があるの?」そんな感じ。
他の社員も、みんな同じ気持ちなようで、頭にはてなマークが浮いているのが見えるようでした。
社長の話を踏まえて調べてみると・・・
島そのものが芸術作品のような、瀬戸内海に浮かぶ香川県の島で、安藤忠雄氏や草間彌生氏の作品をはじめ、自然と調和した多数のアート作品や建築が点在していることが分かりました。
安藤忠雄氏も草間彌生氏も、名前と代表作は知っていましたが・・・
それでも、「直島」と言われてもピンとこない、というのが正直なところ。
そして、そもそも現代アートには、「……正直、よく分からない。」という想いから、苦手意識がありました。

絵の中にある「意味」を読む

― 私は、アートが嫌いだったわけではありません

現代アートには、苦手意識がありましたが・・・アートの鑑賞自体が嫌いなわけではありません。
大学では、ヨーロッパの宗教絵画などを学んでいました。
百合、子羊、天使などのモチーフ、色、配置……。
ひとつひとつに意味があり、絵の中に込められた物語を読み解いていました。
だから、『ダ・ヴィンチ・コード』が発刊、映画化となった時には、夢中になって読み、映画も何度も観るほどハマりました。

分からない」のに、楽しい

― 直島で出会った、体験するアート

アートに対しては抵抗はないけれど・・・それでもやはり、現代アートだけは苦手意識が強く、直島楽しめるのかしら?と思いながら社員旅行の日になりました。
港からの連絡船も、草間彌生氏のトレードマークの水玉に塗り上げられており、島に辿り着く前から、もう今回のアートに触れる旅が始まっていました。
島に上陸して早々、荷物はホテルのバスに預け、散策へ。
港のすぐそばにあった赤いかぼちゃから始まり、「ANDO MUSEUM」や地中美術館」へ。
その時私が一番気に入ったのが、地中美術館の「タレルの部屋」でした。
なんてことはない、ただの小部屋(失礼・・・)ですが、入室してみると天井がないことによって、空の一部が切り取られています。
それが時間と共に、雲が流れたり、鳥が飛んできたり。
表情が変わるのです。
人数限定で開催されているナイトプログラムにも参加し、昼とは違う表情も体感しました。
いつまででも観ていられる。
説明を読んで理解するというより、その空間に身を置いて体感する作品でした。
「あ、コレ、なんだか好き」
直島まではなかなか行けませんが、金沢に行く機会があった際には、21世紀美術館に都度立ち寄りました。
21世紀美術館にも、タレルの部屋があるからです。

そして、ベンチ。
散策して疲れたら、ただ座って休む事もできるベンチ。
でも、座ってみると、この作品の一部の男性は何を読んでいるのだろう?新聞かしら?雑誌かしら?と、覗き込んでみたくなる。
そして、覗き込んでいる人がいると、その人も含めて1つの作品になり、写真を撮りたくなる。
「あれ?現代アートってなかなか面白いぞ?」
そう思って、直島の旅を終えました。

見る人がいて、初めて生まれるもの

― 「正解」を探さなくてもいい

アートは、必ずしも「意味を理解するもの」「読み解く物」だけじゃない。
見て、触れて。
時には、自身が作品の一部になって。
そんな、人それぞれの楽しみ方があっていい。
直島に行く前の私は、「分からないものは分からない」で終わっていたのかもしれません。
でも、分からなくても「好き」と思える。
それを知ったことが、私にとっては大きかったのだと思います。

そして私は、つくる側になった

― あの日、作品を見ていた私が

お菓子、ビーズアクセサリー、編み物。
もともと、自分で何かを作るのが好きでした。
ある日、日本でも海外に出たとしてもできる事を探いた際に、キャンドルに出会い、ワークショップだけでは飽き足りず、自分でも作るようになりました。
そんな中で、素材に触れ、形を考える。
「この素材使えないかしら?」
「これとこれを組み合わせたら、どうなるだろう?」
そんな試行錯誤をしつつ、自分らしさのある作品というところで躓いていました。
山形県天童市へのUターンを期に、将棋駒やアップサイクル素材など、これまでに出会ったさまざまな素材やモチーフを使いながら、自分なりの表現に辿り着き、でもそれはゴールではなく、現在も私の旅は続いています。

作品の向こう側にあるもの

― 素材も、形も、そこにある物語も

きっかけの1つは、地元である山形県天童市が日本一の生産量を誇る将棋駒。
「将棋モチーフで、作品を作ってみようかな。」と、ちょっとかる気持ちで作ってみたのです。
作っている内に、
「この素材は?」
「この素材を使うには?」
あれこれ考えてはパズルのピースをくっつけあって、私の悪い癖が始まりました(笑)
そこから、ただ綺麗なものを作るだけではなく、、素材が持っている背景や、そこから生まれる物語も含めて、ひとつの作品にしていきたい。そう思って、制作に向き合っています。

島って、どこ?

― そんな私が、今は表現する側にいます

「直島って、どこ?」と聞いていた私が、今は、自分の感じたことを素材と形にして、誰かに届けようとしています。
あの直島での体験がなかったら。
あのとき、現代アートへの苦手意識が少しだけほどけていなかったら。
今の私は、少し違っていたのかもしれません。
Kotiaikaも、Koti Candleも生まれる、ずっとずっと前のお話。
(15年くらい前のお話で・・・お写真がほとんど残っていないのが悔やまれます。)

ちょっとおまけ

私のように、「直島ってどこ?」から始まった方も、きっといると思います。
もしこの記事を読んで、「ちょっと直島のことを知ってみたいな」と思ってくださった方がいたら。私が訪れた頃からは、きっといろいろ変わっていると思いますが、現在の直島を知ることのできる公式サイトを、いくつかまとめてみました。

直島町観光協会 — 直島の基本情報や観光情報はこちら
ベネッセアートサイト直島 — 美術館やアート作品について詳しく知りたい方へ
地中美術館 — 建築や展示について詳しく知りたい方へ
金沢21世紀美術館 — タレルの部屋に興味を持った方へ(こちらは石川県金沢市です)

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